筋膜の異常(滑走性、伸張性の低下)

筋膜の滑走性、伸張性が低下する異常な状態は、「線維」、「基質」、「細胞」によって引き起こされます。

筋膜の異常とは?

筋膜の異常な状態とは、筋膜の力学的性質が失われたネットワーク機能が低下している状態です。筋膜の滑走性や伸張性の低下として見られます。

筋膜については下記の記事をご確認ください。

筋膜の異常な状態をミクロで見てみると、線維、基質、細胞によって引き起こされています。

線維の増加

線維が増え過ぎてしまい、規則性を失ってしまうと筋膜の滑走性や伸張性の低下してしまいます。

線維が増え過ぎてしまう原因としては、力学的なストレス(持続的な筋の収縮、床半力、圧縮力)に対して構造を保つための適応的な反応として作られることがあります。

そのため筋膜リリースをして局所の状態を改善しても、力学的なストレスを変えなければまた元の状態に戻ってしまいます。

基質の脱水

基質に含まれている水分が少なくなってしまうと、筋膜の滑走性や伸張性が低下してしまいます。

ビーフジャーキーのような乾いた肉と水々しい生の肉を比べれば分かるように、水分を失った筋膜は本来の機能を果たすことができなくなってしまいます。

利尿作用のあるもの(コーヒーやアルコール)の取り過ぎや、水分摂取量が少ない状況が続くことで基質の水分は失われてしまいます。

細胞での収縮(筋線維芽細胞)

持続的に力学的な負荷を受けた繊維芽細胞は、筋線維芽細胞となります。

この筋線維芽細胞は収縮をすることができます。筋細胞と違う点は電気刺激により収縮するのではなく、自律神経系の影響を受けます。

交感神経が優位な状態になるとリンパ節からサイトカインTgf-β1が作り出されます。このサイトカインTgf-β1が筋線維芽細胞を収縮させると言われています。

また組織が酸性に傾くと筋膜が優位に収縮するという報告がされています。

そのため局所の状態だけを考えるのではなく、精神機能面や内臓機能、食事内容もしっかりと把握することが重要となります。

この記事を書いた人

Keigo Hoshi

Rolf-Concept.lab 代表
作業療法士
Structural Integration Practitioner