人間は進化の過程において、省エネで疲れない効率的な姿勢を獲得しました。
進化から見た姿勢
進化をする上で全ての生物において共通して言えることは、身体の保持や移動を最小限のエネルギーで効率的に行うように進化しているということです。
人間に置いても同様に、身体の保持から移動に対して効率的になるよう進化を遂げています。
一見非効率に思える二足歩行も、猿の移動手段、モンキーウォークと比べると1/4のエネルギー効率と言われています。
その移動に合わせるように進化した立位姿勢も効率的に保持できるよう進化をしています。
人間の姿勢の特徴
二足歩行、立位姿勢に焦点を当てて人間の姿勢を考えると二つの特徴が見えてきます。
腰椎の前弯
他の動物には見られない人間の姿勢の特徴として、腰痛を前弯させている点が挙げられます。
腰痛の前弯は立位姿勢の保持に役立っています。
腰椎を前弯させることにより、重心を股関節の直上に乗せることができます。重心を股関節の直上に乗せることで、股関節の回転モーメントが生まれなくなるため無駄な筋力を使うことなく効率的に立位を保持することができます。
重心の位置
重力に拮抗した直立二足姿勢は支持基底面を重心の位置を高めているため一見不安定なように思えますが、二足歩行を行う上では重要な要素になります。
歩行を倒立振子のモデルとして捉えると、位置エネルギーと運動のエネルギーの相互の変換と捉えることができます。
位置エネルギーが高いほど運動エネルギーも高くなり、少しのエネルギーで歩行の推進力を生むことができるため効率的な歩行を可能にします。
効率的な姿勢を獲得するためには?
腰痛を前弯させ、重心を高めるためには身体の深層の筋を協調的に使う必要があります。
深層の筋は筋膜での繋がりを持っており、トーマス・マイヤース氏の著書「アナトミー・トレイン」ではDFL(Deep Flont Line)として著されています。
DFLについてはこちらからご確認ください。